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アーク極性の違い

アーク極性の違いは、大きくわけてティグやプラズマなどのような非消耗電極、マグ・ミグ溶接などの消耗電極の場合で溶接現象が異なるので区別して考える必要があります。

まず、 非消耗電極(ティグ溶接)の場合は、電極がマイナス(EN)の極性では、陰極となるタングステン電極で生じる、電子の放出による蒸発熱によって電極への入熱が抑えられるため、電極の消耗が少なく、細い電極でも比較的高い電流を通電することができます。また、アークの集中性も非常に良好なため、結果的に幅が狭く溶込みが深いビードが得られます。したがって通常のティグ溶接ではこのEN極性が使用されています。
逆に タングステン電極が陽極となる電極プラス(EP)の極性では、電極が過熱されるため太い電極を使用することが必要となります。また、アーク自体も広がり集中性が悪く、幅広で溶込みが浅いビードとなります。そう書くと、電極プラスは良くないようにも思えますが、その反面EP極性では陰極の酸化被膜を除去する作用があるため、母材表面の酸化物を除去する必要があるアルミニウムやその合金の溶接にEP極性の作用を活用できます。

なお、 交流電源を用いた場合には、これらの電流極性(EPとEN)が交互に反転するため、上記に述べた両者の特性を併せ持った特性を得ることができるのです。
この場合の各極性の作用・効果はENの期間とEPの期間の時間比率によって変化するということがいえます。 次に、 消耗電極(マグ・ミグ溶接)の場合 ですが、マグ・ミグ溶接による溶接では、ティグ溶接の場合とは異なって、電極が陰極となるENの極性での発熱が大きくなります。このため、マグ・ミグ溶接で一般によく使われるEP極性に比べ、EN極性の方が電極ワイヤの溶融速度が大きくなります。
また、母材への溶込み深さは、アークの集中性が低いこともあって浅いものとなります。 とくに中電流・中電圧以上の溶接では、アークの状態や溶滴の移行形態は、EN極性ではアークの発生点(陰極点)が分散するためワイヤが上方へはい上がり気味となり、ワイヤ側面からも溶融します。したがって溶滴もグロビュール移行となりアーク長の変動も大きいといえるでしょう。
これに対し、EP極性では、アルゴンガスが多いマグ溶接ではワイヤ先端から小粒の溶滴が母材へ移行するスプレー移行になります。


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