MIG溶接時のシールドガス組成
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ステンレス鋼のミグ(MIG)溶接においては、主にアークの安定性・集中性向上のために、シールドガスとしてArに5%程度のCO2や2%程度のO2などを混合したガスが一般的に使用されています。
この理由は、100%Arでは安定性に欠ける集中性の無いアークとなり、融合不良やブローホールなどの欠陥も発生しやすくなるが、数%のCO2やO2を混合することにより安定で集中性のあるアークになるためです。
このメカニズムとしては、多原子分子であるCO2やO2はアーク雰囲気中で解離し、その時に熱を奪うため熱的なピンチ効果により電位傾度が高くなり、その結果集中性のある安定なアークとなるというものです。
しかし、CO2やO2の混合により溶接金属の成分が変化し、その結果として溶接金属のフェライト量の低下や耐食性の劣化などにつながることもあります。
したがって、鋼種や用途に応じて使用するシールドガス、すなわち混合するガスの種類や量を選定する必要があるといえるでしょう。
文献によれば、Ar+CO2系ではAr+5%CO2、Ar+O2系ではAr+2%O2が最も集中性の良い安定したスプレーアークとなる適正電圧範囲が広く、かつスパッタも少なくビード表面の酸化皮膜も薄い、均一で良好なビード形状になるといわれています。
しかし、Ar+CO2系でCO2混合量が10%以上になると、アークの安定性・集中性はかえって劣化し、スパッタの増加、スラグ状の酸化被膜の形成、ビード止端部の不揃いなどが出てくることも判っています。また溶接金属のC量の増加、フェライト量の減少は顕著となり、ブローホールの発生傾向も大きくなるといえます。
したがって、ステンレス鋼のMIG溶接でAr+CO2系のシールドガスを使用する場合には、CO2の混合量は2~5%程度が適当であるといえるでしょう。なお、Ar+5%CO2の場合は、ビード表面全体に酸化皮膜が形成されるので、多層溶接などでは、融合不良、スラグ巻込み、ビード形状の劣化等を防止するために適宜ビード表面のスラグ状になった酸化皮膜をグラインダなどで除去することが望ましいと言えます。
Ar+CO2系ではCO2混合比率が高くなるに従って溶接金属のC量は増加、Cr量は減少します。その結果としてフェライト量は減少が減少するわけです。
また、O2混合比率が高くなると共に溶接金属のO量は増加し、Cr量およびフェライト量は減少しますが、C量の増加傾向は認められないといった報告もあるようです。
なお、Ar+CO2、Ar+O2のいずれの系もCO2、O2混合比率に比例して、これら成分の他に溶接金属の酸素量が増加し、Mn、Si量は減少する傾向があります。
ステンレス鋼のミグ(MIG)溶接においては、主にアークの安定性・集中性向上のため...
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